■シャブリ地区 |
日本でもよく知られるシャブリ。ブルゴーニュでも北部に位置し、冷涼な気候と「キンメリジャン」と呼ばれる白亜紀の石灰質の土壌から作られる、フレッシュな酸やミネラル香が特徴的な産地です。
「シャブリ」を語るワインは、畑指定の特級からテーブルワインクラスまで、まさに「ピンキリ」。この地区の階級は次のようになっています。
●特級(グランクリュ):畑指定。
1.ヴァルミュール 2.レプルーズ 3.ヴォーデジール
4.グルヌイユ 5.ブランショ 6.ブーグロ 7.レ・クロの7つのみ
●1級(プルミエクリュ)
●シャブリ
●プチシャブリ
特級のシャブリはフレッシュな酸と、さわやかなコクを併せ持っています。 よく「シャブリに牡蠣を」といいますが、生牡蠣だと特級ではワインが強すぎるので、シャブリやプチシャブリクラスのほうが個人的には合うと思います。
価格の目安は特級で4,000~6,000円、1級で2,000~4,000円、シャブリ・プチシャブリは2,000円以下です。
シャブリのワインを見てみる?
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■コート・ドール地区 |
特級畑が集まるコート・ドール地区は、最高級の赤ワインを主に作る北側のコート・ド・ニュイ地区、赤・白ともに名だたるワインをつくる南側のコート・ド・ボーヌ地区にわかれます。
★★コート・ド・ニュイ地区★★
かのロマネコンティが生まれる地区。その生産のほとんどが赤ワインです。 ジュブレシャンベルタン村、モレサンドニ村、シャンボールミュジニィ村、ヴージョ村、ヴォーヌロマネ村で成り立っていて、シャンベルタン、ニュイサンジョルジョ、エシュゾーなど、高級ワインが造られています。
ちなみにロマネコンティがなぜ高いのか?というと、その品質はもちろんですが年間500ケースという本当に少ない量しか造っていないためなのです。
1.8ヘクタールの小さな畑でさらにブドウの濃縮度を高めるために生産量を限定、摘み取るブドウも機械で圧搾せずブドウの重みだけで搾ります。
ブドウの重みだけでつくるのはとても手間が掛かりますが、そうしてできたワインはとってもやわらかい味わいになるのです。
シャンベルタンも、かのナポレオンが愛したワインとして知られています。9つの特級畑がありますが、なかでも「シャンベルタン」「シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ」が別格。ピノ・ノワールの力強さが出ています。
コート・ド・ニュイのワインを見てみる?
★★コート・ド・ボーヌ地区★★
北のコート・ド・ニュイ地区に比べると知名度など比較的地味ですが、
コルトン、ポマール、白ワインでは世界最高の辛口白ワインと称賛されるモンラッシェを始め、コルトン・シャルルマーニュ、ムルソーなどのワインを産出しています。
ブルゴーニュ地方では数少ない白ワインの特級畑があるのもこの地区です。
また、赤ワインでもコルトンやポマールは、コート・ド・ニュイ地区のワインに比べ、力強くてふくよかな味わいが楽しめます。
白ワインのムルソー、コルトン・シャルルマーニュも熟成タイプでとても力強い味です。モンラッシェといえば、文豪デュマが「脱帽し、跪いて飲め」と称賛したと言われ、その値も3万円前後~と白ワインでは抜群の高級ワインです。
こういうワインを飲むと、「シャルドネが、いかに素晴らしいブドウか」「フランスワインがいかに偉大か」ということを、体中で痛感できます。
コート・ド・ボーヌのワインを見てみる?
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■コート・シャロネーズ地区 |
ここの地区ではシャルドネやピノ・ノワールのほかに、アリゴテやガメイなどのブドウも造っていて、割とバラエティに富んだワイン造りをしています。
味も、他の地区の高級ワインに比べると親しみやすい味わいと価格ですが、2500~4000円位なのでデイリーワインにはもちろんできません。
しかし、ワイン評論家として知られるロバートパーカー氏が最高評価をするようなワイン(ジブリー・プルミエクリュ:ドメーヌ・ジョブロ)などもあり、そんなワインがこれくらいのお値段で楽しめると思えば、お得かと思います。
AOCは、メルキュレ、リュイイ、ジブリー、モンタニィ、ブルゴーニュ・アリゴテ・ブーズロンなどです。
コート・シャロネーズのワインを見てみる?
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■マコネ地区 |
ブルゴーニュでは珍しく、赤・白・ロゼのワインが造られています。比較的リーズナブルで、飲みごたえのあるワインも多く生産しています。
マコン・ヴィラージュは、飲み口がよく、軽やかなワインなので、デイリーワインとして結構楽しめます。
AOCは、マコン、プイィ・フュッセ、サン・ヴェランなどです。
マコネ地区のワインを見てみる?
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■ボージョレ地区 |
日本でも11月になると、必ずニュースとなるボージョレヌーボー。
普段は、ワインを飲まない人も「ボージョレだから」と飲むようなお祭り騒ぎに賛否両論もありますが、ワインを楽しむ機会をつくるという意味で、私はとてもいいことだと思います。
赤ワインの新酒のイメージが強いボージョレですが、白ワインやロゼワインも造られています。白やロゼは生産量もそう多くないため、日本では見かけません。
ボージョレ地区のワインは、ワイン法で4段階に分かれていて、上から
1:クリュ・ド・ボージョレ(Cru de Beaujolais)
~最も格の高いワインを作るとされる10の村に限定
2:ボージョレ・ヴィラージュ( Beaujolais Villages)
~通常ボージョレよりもアルコール度数が1度高く、生産地区が限定されている
3:ボージョレ・シュペリュール(Beaujolais Superieurs)
~通常ボージョレよりもアルコール度数が1度高い
4:ボージョレ(Beaujolais)
となっています。
アルコール度数が1度高いというのは、それだけ、コクを感じるということ。
新酒でも、通常の「ボージョレ」よりも、それ以上のクラスのボージョレのほうが、より果実味を濃く感じるので、飲み比べてみるととても楽しいです。
また、ボージョレは早飲みタイプなので、市場に出ているのはだいたい、2~5年物くらいまで。
新酒ではないボージョレにスポットライトが当たることは少ないですが、この2~5年物くらいの「ボージョレ・ヴィラージュ」以上のワインは、程よいコクと豊かな果実味と口当たりでデイリーワインとしてはかなり楽しめます。
「クリュ・ド・ボージョレ」は10の村がありますが、
日本でよく見かけるのは、最も力強くボディがしっかりしている「モルゴン」、ボージョレ地区のなかでは重いタイプで長期熟成も可能な「ムーラン・ナ・ヴァン」、最も北に位置し繊細でデリケートな味わいの「サンタムール」です。
ボジョレーのワインを見てみる?
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